資金調達 – 金融機関融資を申し込む際のポイント

会社運営をしていく中でいく度となく訪れる資金不足。そんな危機の際に検討されるのが資金調達です。今回は、資金調達についてお話します。

資金調達とは

資金調達とは、言葉のとおり何らかの方法で資金を集めることをいいますが、融資や第三者割当増資などが該当します。融資の場合は、経営者からの借り入れや金融機関からの借り入れが該当します。

第三者割当増資は、取引先など出資先の見当がつけられる場合は可能ですが、よほどの技術力や製品力を持ち合わせていない限り容易ではありません。ほかにも社債の発行という方法もあります。

創業年数がある程度ある場合はで技術力が認められている場合は、第三者割当増資も視野に入れられますし、経験上それほどの技術力を持ち合わせている場合は、すでに何らかのオファーが来ているものと推測します。

金融機関融資のポイント

資金調達の方法は前述したとおりですが、今回は最も多く採用されている金融機関で融資を受ける際のポイントについておはなしします。

融資制度を知る

創業年数に関係なく金融機関に融資を申し込むことはできますが、金融機関によって融資の制度が異なるため会社の状況を踏まえて申し込みをおこなう必要があります。

よくある間違いですが、運転資金を調達したいのに設備投資を目的とする融資に申し込んでしまうケース。申し込む融資によって要件はもちろん準備する書類も変わってくるので融資を受けられることはありません。

事業内容や融資の目的を文書化しておく

経営者の多くはリーダーシップを発揮する弁の立つ方だと思いますが、融資の際はその弁と同様に文章力も不可欠です。なぜなら、申し込む金融機関の内部審査に必要だからです。

詳しくお話しする前に融資の際の大まかなスケジュールは下記のとおりです。

面談 → 審査 → 契約 → 融資実行

文章力が必要になるのが審査の部分で、提出書類はもちろん行内審査(金融機関内での審査)の際の稟議にも必要になります。面談の際の熱意も大事ですが、稟議にかかれる内容(文章力)も重要です。

行内審査の書類なら申し込む側には関係ないじゃないかと思うかもしれませんが、稟議を作成する担当者は、提出された書類の内容をもとに稟議を作成するので、面談の熱意同様に説得力ある文章力も必要になります。

黒字でも融資不可のケース

ちなみに金融機関に融資を申し込む際、「黒字ならほぼ融資実行される」「税金の滞納があると融資されない」などさまざまな噂を耳にしていることでしょう。

たしかにそういうケースもありますが、黒字でも融資されないケースがあります。それは貸借対照表の残高が怪しいケースで、多額の不明残高、経営者や関連会社への貸付がある場合は経験上ほぼ審査に落ちます。

不明残高は、説明できるのであれば適切な科目に振り替わるものですが、貸借対照表に残っているということはどこにも振り替えられない残高ということになり、損益にもインパクトを与えるリスクをはらみます。

また、経営者への貸し付けや関連会社への貸し付けは、融資後も同様に融資した資金が流れる恐れがあることから敬遠されますが、申し込みの時点で貸し付ける意思を伝えておくことでその懸念は払しょくできます。

ただし、その場合も回収ができなくなる恐れがあることから審査で落ちる可能性は高まります。

実績作りは大事

金融機関への実績というと会社の口座や経営者の口座の履歴を作ることと少額の融資を受けて返済しておくという返済実績を作ることになります。

そのため、申し込む金融機関は、法人、個人でメイン口座としている金融機関に申し込むのがベストです。申し込む一番のメリットは、不安の払しょくです。

口座の履歴を見れることで月にどのくらいの資金が動いているか、どんな入出金があるかを把握できるので融資額の回収可能性がわかることです。

逆にいうと会社がどれだけ儲かっていても経営者の個人口座の履歴に消費者金融名義の入出金があるとそれだけで審査上マイナスになります。

申し込みは余裕をもって

金融機関に申し込んでから融資実行されるまで最短でも少なくとも1か月はかかります。特別な事情がある場合は資料提出→審査を繰り返すことからさらに延びることが予想されます。

そのため、金融機関に融資を申し込む際は数か月先の盾と見込んで資金計画を立てておくことが重要です。予定していたより早く融資が実行される場合はいいのですが、遅れる場合は経営にも重大な影響を与えかねません。

会計事務所の役割

金融機関に融資を申し込む際の会計事務所の役割はどのようなものになるのでしょうか。そもそも融資申し込み対応を拒否している会計事務所も多いと思います。

一番の問題は、融資が実行されるかどうかは申し込んでみないとわからないことと、申込額が実行されるかどうかもわからないことから、報酬の設定がしづらいことが挙げられます。

かなり時間を要することもあり請求できるかわからない業務から遠ざかるというのは至極当然の流れです。ただし、融資に必要な経理面の数字は会計事務所が把握しているのも事実です。

関与しない場合、月次報告の際に経営者へ資金繰り情報をレポートにして報告しておくことで不要な関与を防ぐこともできます。後手後手の場合は、最悪無報酬というケースも出てきますが、先手を打っておくことで回避できます。