売上と請求の違い

会計処理をしているときによく目にする「売上」と「請求」という文字、同じだと思っていませんか。実は似てはいるものの両者根本的に異なります。今回は、売上と請求の違いについてお話しします。

売上と請求の違い

実務的には同じ意味合いで使われている「売上」と「請求」ですが、その内容は異なっています。ここでは、両者の本来の意味についてお話しします。

売上は成果物を納品したときに計上

売上と請求の違い1つ目は、「売上は成果物を納品したときに計上」するということです。当たり前の話ですが、後述の請求と混同しているケースがあるのでしっかりと抑えておきたいところです。
売上は、契約に基づいておこなった制作の納品や役務提供の完了によって計上されます。その際、納品書や検収書などを作成し、相手先に間違いなく完了したという証拠を残します。
売上計上は、この証拠によって計上されるものなので、月末に計上するというのはいささか乱暴な処理だと言えますが、実務的には月内に計上されていれば会計上も税務上も特に問題となることはないことから、月末計上としているケースが多くみられます。
売上計上するときのポイントは、「証拠となるエビデンスがあるか」ということです。言い換えると、エビデンスがない売上や前払請求(詳細は後述)は売上ではありません。
売上計上の際は、会社内のルールを確認し、売上の証拠となるエビデンスは何かを把握したうえで会計処理をしていくことが大事です。

請求は契約に基づいて代金を請求

売上と請求の違い2つ目は、「請求は契約に基づいて代金を請求」するということです。前述の売上とは異なり、契約書に記載されている請求ルールによって請求処理を行います。
そのため、納品の都度毎回請求するケースや月でまとめて月末計上するケースなどが存在します。不明な場合は、相手先と交わした契約書の支払条項を確認することで明確になります。
契約書を交わしていない場合は、見積書や相手先が発行する発注書に記載されることがありますので確認してみてください。

実務では請求書として扱っている取引

売上と請求の違い3つ目は、「実務では請求書として扱っている取引」があるというものです。最も多いケースは、相手先に前金(手付金や年間一括前入金など)となります。
なぜ、この前金を取り上げたのかというと、実務的には業務の効率化から「請求書」によって請求されることがあり、その請求書の品名欄に前金ということが書かれます。
ただ、案件名に一式という形での記載もあり、一見すると売上(納品したもの)と見えるケースがあります。実際には前金なので全額売上計上してしまうと誤りとなってしまいます。
1つ目でエビデンスの話をしたのもこの前金かどうかを見分けるためのポイントなので挙げてみました。

業務を分担しているときは要注意

今回は、売上と請求の違いについてお話ししました。
実務では、限られた時間の中で処理をすることから効率化が叫ばれ、その効率化の弊害に埋もれて誤った会計処理をしてしまうケースが後を経ちません。特に経理が売上計上から請求までの処理を全て担当していないケースで多く見られます。
こういうケースでは、経理が事業部の担当者に売上になるものとならないものの区別をレクチャーするとともに経理でも計上額とエビデンスの照合が必要になってきます。