建設業会計の特徴

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会計のはなし

専門の資格が存在するほど特徴のある建設業の会計処理。建設業に関わった当初は困惑することも多いのではないでしょうか。今回は、建設業会計の特徴についてお話します。

建設業の会計処理のポイント

建設業の会計処理のポイント

特殊な科目や会計処理の多い建設業会計の会計処理は、事業会社との違いを把握することから始まります。ここでは、建設業の会計処理のポイントについてお話します。

収益の認識時期や方法

最も大きな特徴は、収益の認識時期や認識する方法です。戸建てやマンションなど工期が数カ月に渡ることがほとんどです。

収益を認識する基準は、完成してから収益や原価を計上する「工事完成基準」や工事の進行度合いに合わせて収益と原価を計上する「工事進行基準」となっています。

「工事完成基準」は、工事が完成するまでは大幅なマイナスの決算書になることがあり、形式的な基準からするとマイナス材料となる可能性があります。

「工事進行基準」は、工事の進捗に合わせて計上できる半面、見積り原価の算定根拠の構築が煩雑となります。

現場ごとの収支管理が重要

建設業は、大小さまざまな現場を抱えているケースがほとんどなので、現場ごとの収支管理をしておくと会計処理が捗ります。

把握しておく情報は、現場ごとに作成される積算です。積算とは、現場でかかる費用を項目ごとに見積もりしたものです。

この積算の項目に合わせて実際にかかった費用を集計していくと予実としても使えるので便利です。

経審への対応

公共工事を受注する場合は、所定の経営事項審査(通称で経審と呼ばれています)を受けなければなりません。

公共事業を受注するために必要なチェック項目があり、そのチェック内容によって点数が決まり受注できる工事のランクが決まります。

会計の基準で作られた決算書を経審用に作り変えるなどこちらも特殊なスキルが必要になります。

別途、費用がかかりますが、専門の行政書士に依頼することで、審査に必要な項目の対応もしてくれるのでおすすめです。

建設業の仕事内容

建設業の仕事内容

建設業は、公共事業から戸建ての建設まで幅広く対応しています。ここでは、会計処理に必要な範囲で建設業の仕事内容についてお話します。

経審の点数によって受注できる公共事業が変わる

前述で経審について触れましたが、建設業にとって経審の点数は、受注できる事業に直接影響を及ぼすため、かなりセンシティブな問題です。

建設業のノウハウのない会計事務所の場合は、経審のことを軽視しがちなため、最悪の場合クライアントを失うことにもなりかねません。

そこで、おすすめなのが経審専門の行政書士との協業です。経審にも配慮した決算書を作成出来ることからクライアントからの信頼も得られやすくなります。

建設業の会計処理

建設業の会計処理

前述でも少し触れましたが、建設業の会計処理は一般的な会計処理に比べると特殊です。ここでは、異なる部分にスポットを当ててお話します。

収益

建設業は、長い工期になることから、収益の認識基準には、完成基準と進行基準があります。

さらに、前金や手付金のように工事の前やあとに入金された場合は、未成工事受入金として処理します。

また、工事が完成して残金を請求する場合は、請負額と未成工事受入金との差額を完成工事未収入金として計上します。まとめると表のようになります。

表の挿入

原価

原価の場合は、工事が完成するまでは、未成工事支出金、相手科目は工事未払金に計上します。事業会社の仕掛品、買掛金や未払金に相当します。

未成工事支出は、工事が完成した際には、材料費、労務費、経費に振り返られるので、あらかじめそれらの項目に分類しておくと管理しやすくなります。まとめると表のようになります。

表の挿入

経費

建設業の経費にも、原価に計上されるものと販管費に計上されるものに分けられます。

原価に計上されるものは、前述の原価と同じように完成するまでは、未成工事支出に計上し、完成したら原価の経費に振り替えます。

ところで、原価か販管費かの区別ですが、現場に紐づくかどうかで判断しますので、事務所の家賃のような支出は販管費になります。

経審を軽視しているとは

軽視している内容で最も多いのは、建設業の科目を使用していないことです。事業会社の科目で試算表や決算書を作成してしまうと、ほぼ落胆されます。

科目を使わない=建設業を知らないと見られるためです。そのためにも、最低限科目は建設業用に変えておくことをすすめます。

今回は、特殊な処理や取引が多い建設業会計の特徴についてお話しました。

特徴の主なものは、建設業独特の会計処理や科目と経審への対応です。特に建設業にとって死活問題となる経審への対応は、多くの会計事務所を悩ませます。

悩みを解消するには、経審専門の行政書士と協業することも検討してみることです。会計からの視点と経審からの視点で決算書を作成することでクライアントからの信頼を得やすくなります。

もちろん、月々の試算表でも建設業の科目を使用することは必須です。